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STEP7 事業モデルのPDCAの解説

これまでSDGsに取り組み、事業モデル化を進め、社内に定着する基盤を作ってきました。最後のSTEP7では、SDGsの取り組みを継続しさらに発展させるため、PDCAサイクル(Plan・計画、Do・実行、Check・評価、Action・改善)の「Check(評価)」について解説します。

SDGsへの取り組みは数値で明確に表示されないので、本質的な取り組みが行われているかどうか、評価することが必要です。ここでは評価の方法を、「自己評価・外部の評価尺度の参照・優良事例と比較」という3つの軸で解説します。


(1)自己評価

自己評価をするときは、SDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)の名称通り、Sustainable(サスティナブル、持続可能な)とDevelopment(デベロップメント、開発)の2つを確認します。

①Sustainable(サスティナブル、持続可能な)

会社にとって持続可能な活動であるかをチェックします。予算に余裕があるときだけ行う慈善事業では、持続可能とはいえません。本業が発展すればするほど社会がよくなるような仕組みを作るため、最低でも損益分岐点を超えることを前提とし、収益を生む事業として取り組むことが重要です。

②Development(デベロップメント、開発)

ここでいうデベロップメントは、その活動による社会変化の大きさを意味します。SDGsは「我々の世界を変革する」ものです。このまま成り行きで進む未来ではなく、意思を持って世界を変革することを重視します。SDGsに取り組んだことにより、付加的な変化が生まれるかをチェックします。


(2)外部の評価尺度を参照

外部の評価尺度を自社にあてはめます。世界で評価尺度は600個以上あるといわれていますが、まずは、サスティナビリティ報告・ESG投資・日本政府のガイダンスなどから、参考になりそうなものを参照してください。

①サスティナビリティ報告

サスティナビリティ報告とは、持続可能な社会をつくるために企業が取り組むべきことを外部に報告するものです。サスティナビリティ報告として有名なものは、GRI(グローバル・レポーティング・イニシアチブ)基準、ISO26000、SASB(サスティナビリティ・アカウンティング・スタンダード・ボード)基準などで、インターネットで入手可能です。

②ESG投資の指標や指数(インデックス)

ESG(Environment 環境、Social 社会、Governance ガバナンス)投資とは、従来のような財務的価値(キャッシュフロー・利益率など)だけでなく、環境・社会・ガバナンスの要素を考慮して行う投資のことです。ESG投資の評価機関は複数ありますが、まずは、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)に採用されている、FTSE(エフティーエスイー/フッツィー)とMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)の評価基準を参照してみてください。

③日本政府のガイドライン

日本政府は国際的な動向を踏まえ、企業が取り込みやすい評価尺度を示しています。環境省の「環境報告ガイドライン」や、経産省の「価値協創ガイダンス」などを参照してみましょう。


(3)優良事例と比較

他社の事例と比べて、相対的に評価するのも有用です。ESG投資のスコア上位企業、日本政府の調査報告書、ジャパンSDGsアワードなど、インターネットで多数の事例が公開されているので参考にしてみてください。

事業モデルの評価を改善につなげ、持続可能な社会と環境の構築に貢献する事業を発展させていきましょう。

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