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◆STEP6 事業モデル化した行動計画の経営・活動戦略への落とし込み

SDGsに貢献する事業のモデル化を進めたら、継続的に発展させることを考えます。STEP6では、事業モデル化した行動計画を社内に定着させるため、SDGsを経営理念や経営戦略に落とし込みます。

中小企業がSDGsを取り入れる場合、すべてを網羅しようとすると、ぼんやりした活動内容になる可能性があるので、これだという自社の強みを軸に徹底的に社会価値を拡大していきましょう。


(1)SDGsを経営理念に取り込む

会社の経営理念(社訓・社是・使命・経営方針・経営哲学など)は、自ら定められる会社の存在意義です。まずは、経営理念の情報を整理して、SDGsを取り入れましょう。

整理するときは、MVV(Mission・Vision・Value)を意識し、これらの柱となっている要素とSDGsをかけ合わせます。

・Mission(ミッション、使命):自社の役割・存在意義・目的

・Vision(ビジョン、未来像):実現したい未来

・Value(バリュー、価値観):社員が持つ共通の価値観


(2)経営戦略に落とし込む

経営理念にSDGsを取り入れたら、経営戦略に落とし込みます。経済価値を追求する場合は、売上や利益などわかりやすい目標がありますが、社会価値の場合は明確な軸がないため、意思と戦略を社内でしっかり共有することが重要です。

まずは、中長期の事業戦略に取り入れます。会社がどのような立ち位置で事業を行い、経済価値と社会価値を最大化していくかを、書き物としてまとめましょう。

書面に記された事業戦略が「ハード」とすると、「ソフト」は社員に共有されている価値観・行動様式・暗黙のルール・雰囲気などの組織文化です。組織文化に経営戦略を根付かせることは非常に重要で、他社にはまねできない無形の競争優位性となり得ます。経営戦略の方向性が組織文化に受け入れられるよう、普段の仕事の意思決定や行動を変えていきましょう。


(3)外部に発信する

社内にSDGsを定着させたら、外部にも発信します。発信することでSDGsを取り入れた経営戦略が確固たる方針であると、周知できます。

外部に発信するときは、広報や営業としての成果も得たいので、ゴールデンサークルという手法を使いましょう。通常は、What(商品概要)→How(どのように使うか)→Why(なぜ作ったか)と説明しがちですが、ゴールデンサークルの手法では、Why(なぜ)→How(どのように)→What(商品)の順に説明します。最初に経営理念や社会課題への取り組みの意思(Why)を示してください。

<例>Appleの場合

(Why)私たちは誰もが諦めている変化を世界に起こすために働いています。→(How)その方法とは人の心を動かすほど美しくデザインされ、誰でも簡単に使える製品を作ることです。→(What)こうして見たこともないコンピューターができあがりました。


行動計画を経営・活動戦略へ落とし込み、発信することで、SDGs事業の基盤が整ったといえます。最後のSTEP7では、定着した取り組みを成長させていきましょう。

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