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♦STEP5 行動計画の事業モデル化

会社と社会の共通価値を生み出せたら、SDGsに貢献する新規事業を作ります。STEP5では、ジョブ理論やリーン・スタートアップなど、新規事業創出の手法を活用して事業をモデル化していきます。


(1)ジョブを見つける

ジョブとはハーバード大学のクレイトン・クリステンセンの「ジョブ理論」のコンセプトで、人や組織が片付けるべきことを指します。あらゆる人は常に片付けたいことがあり、それを解消するためにお金を払うという考えです。ジョブを見つければ、人が何に対してお金を払うかがわかります。

SDGsビジネスを生み出すためには、まず社会課題に関するジョブを見つけます。ジョブを見つけるには以下の「見る・聞く・考える」の3つを実行し、「不自然さ」に注目してください。

・人の行動を見る(観察)

・人の話を聞く(対話)

・人の身になって考える(想像)

不自然な行動やモノの裏には、ジョブを解決できる商品がないという事実が隠されています。


(2)顧客を見つける

①アーリーアダプター(顧客)と話す

ジョブを見つけたら、アーリーアダプターを見つけます。アーリーアダプターとは、ジョブを解決する商品を最初に買ってくれる顧客です。ジョブは見つけた段階では仮説なので、アーリーアダプターと話をして、検証します。

アーリーアダプターは「ハーバード大生」のような客観的な分類で表現してください。「〇〇というジョブを抱えている人」のように細かく定義すると、探しにくいので注意が必要です。類は友を呼ぶので、アーリーアダプターの知人に次のアーリーアダプターを紹介してもらい、芋づる式に見つけましょう。

②リーン・スタートアップ手法で商品を開発する

アーリーアダプターの話を聞いてジョブを検証したら、リーン・スタートアップ手法で商品を作ります。リターン・スタートアップとは、ジョブを解決するため最小限の機能を備えたテスト品を顧客に試してもらい、反応をみながら商品を開発する方法です。

使用するテスト品はMVP(Minimum Viable Product、実用最小限の製品)といい、デモ型・張りぼて型・内輪型があります。

・デモ型(デモンストレーション):商品がない段階で顧客に見せる動画やストーリーボードなど

・張りぼて型:機能や効用を人力で補いながら形にする商品

・内輪型:身内でテストする不完全な商品

MVPを使ったら「ジョブの有無と切実度」「提案する商品によるジョブの充足度」を検証し、最も解決度の高いものを特定します。

検証方法は、

①基準を決める

②アーリーアダプターに実際にMVPを使ってもらい、評価してもらう

③評価が合格基準を越えれば実験終了。

合格基準に達しなければ、実験結果から改善点を探りMVPを改良。→①に戻ります。


(3)事業のモデル化

解決度の高い商品がわかったら、BMC(ビジネスモデル・キャンバス)を作ります。BMCとは、提供価値・主要パートナー・重点活動・鍵となるリソース・顧客セグメント・顧客との関係・チャネル・費用構造・収益構造の9つを1枚の紙に記したものです。

本質的な要素だけを簡潔に埋め、事業化モデルの全体像・流れ・成長の方向性をつかみます。価格・商品・顧客・タイミング・チャネルに注目し、収益を最大化する余地がないか検討しましょう。


 

商品を通したSDGsへの貢献は、会社として本質的な取り組みといえます。STEP6では、この取り組みを定着させ、経営や活動の戦略へと落とし込んでいきます。

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