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◆STEP3 事業・活動における、経営資源の洗い出しとムリ・ムダ・ムラの解消

STEP2では行動計画書を作るための課題に着目しました。
STEP3では、いよいよ導入について解説します、SDGsを導入するときには、まず、共通コストを減らします。共通コストとは、有効活用されずに捨てられる電気・資源・労働力など、会社や社会にとっての損失のことです。共通コストの削減は利益の向上に直結するので、本業でのSDGsの取り組みといえます。


(1)社内の共通コスト「ムリ・ムダ・ムラ」を減らす

共通コストを探すには、「ムリ・ムダ・ムラ」に注目してください。すでに行っている活動を洗い出したときと同じように、バリューチェーンに目を向けましょう。

「ムリ・ムダ・ムラ」とは以下のような状態です。

・ムダ:成果(アウトプット)に対して、資源の投入(インプット)が過剰。作りすぎ・捨てすぎ・採用しすぎ・在庫を抱えすぎなど

・ムリ:成果に対して投入が足りない。今の人材や時間では不可能な品質が求められている・コストに対して価格設定が安い・納期が非現実的・人の数や能力が足りないなど

・ムラ:ムリとムラが混在している状態

「ムリ・ムダ・ムラ」を見つけるには、人・物・金・知識・技術といった経営資源の見直しを行い、共通コストの過剰な部分を洗い出す必要があります。以下のような方法を試してみてください。

〇視点を切り替える

・「なぜ?」を5回繰り返す

・極端な例を考える(例:もしこの業務をしているのが1万人だったら?と仮説)

・図や絵で可視化

〇壁打ち

・仕事をざっと見て、違う立場の人に仮説をぶつける

〇ブレインストーミング(ブレスト)

・たくさんアイデアを出す(アイデアを出すときには評価せず、とにかくたくさん出す)

「ムリ・ムダ・ムラ」が見つけたら、最初は一斉に削減に取り組みます。最終的には、ひとりひとりが共通コストをなくすよう自然に行動できることが理想です。

 

(2)社外との取引を見直す

社外との取引は共通コストの規模が大きいので、見直すと長期的に効果が得られます。

<例>

・オフィスで使用するものはエシカル消費で購入する

・会社の電気を再生可能エネルギーに変える

・出張はロハス(健康で持続可能な生活様式)の宿泊先を選ぶ

 

(3)共通コスト削減のゴールを設定する

共通コストを削減し、効果を実感できるようになったら、ゴールを決めます。終わりのない目標を掲げていると、社内のやる気が失われてしまうので、共通コスト削減を継続させるために具体的でわかりやすいゴールを設定しましょう。

<例>

・CO2排出をゼロにする

・有害物の使用をゼロにする

・無駄な労働時間をゼロにする

 


 

共通コスト削減のゴールを設定できたら、次は共通価値を生み出します。STEP4では会社と社会の共通の利益を既存のビジネスから構築する方法を解説します。

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