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◆STEP2 選択したSDGsのテーマから行動計画書を作成す

STEP1では、SDGs(持続可能な開発目標)のテーマを見つけ、まずは、個人として行動することを提案しました。個人が行動をはじめると、会社でも社会課題解決への意識が高まります。しかし、それだけでは事業の方向性を見出すには不十分です。

STEP2では、もう一歩踏み込んで、会社としてどのように行動計画書を作成すればよいかを解説します。会社が取り組むべきSDGsの課題を見つけるには、「解決すべき問題から要因を特定」または「未来から逆算して課題を特定」する方法があります。


(1)すでに取り組んでいる活動を洗い出す

まずは、自社がすでにやっていることで、SDGsへ貢献する行動があるかを調べます。製造・販売などの主な活動から、開発や労務などの支援活動まで、バリューチェーン(企業活動全体)に目を向けてください。

日本には近江商人の「三方よし」という考え方があり、「買い手よし、売り手よし、世間よし」という精神が昔から根付いています。そのため、すでに社会課題解決のための活動をしている会社は多いでしょう。それらを洗い出し、SDGsのゴールとのつながりを可視化すると、SDGsに貢献する事業のイメージがつかみやすくなります。


(2)課題を特定する

①解決すべき問題から要因を特定する

SDGsのゴールは「目標」なので、問題を表す言葉に言い変えてみましょう。例えば、ゴール3は「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」ですが、問題として言い換えると「多くの人が健康的な生活を送れず、福祉を確保できていない」となります。

問題に言い換えたら、その要因を特定します。問題自体は大きすぎることが多いので、問題の要因に着目し、自社の強みをぶつけましょう。

<例>食品メーカーの「味の素」は、経営戦略の中で世界の人々の健康促進を目指しています。SDGsのゴールが示される前から、「多くの人が健康的な生活を送れず、福祉を確保できていない」ことの要因として、「途上国で予防可能な原因で多くの5歳未満の子供が死亡している」ことを発見しました。そこから「離乳食に栄養が足りない」ことを導き出し、自社のアミノ酸技術を活かし、離乳食に混ぜて食べる粉末状の栄養食品を開発しました。

 

②未来から逆算して課題を特定

未来から逆算する方法では、理想の未来のイメージを導き出し、そこへ移行するための課題を特定します。全体を見渡しながら具体的に考え、自社の強みを活かせる領域を探りましょう。

例えば、「資源とエネルギーが無限に使える未来」をイメージした場合、循環するクリーンエネルギーが必要です。理想の未来に移行するための課題は、「再生可能エネルギーによる発電の普及」と導き出せるでしょう。


 

SDGsは革命ともいえる大きな市場変化を生んでいます。これは、チャンスにもリスクにもなり、読み違えると大企業ですら傾く可能性があるので注意が必要です。未来を予想して動くことは、企業が生き残る必須条件といえるでしょう。課題がわかると、SDGsのテーマから行動計画書を作成する方向性が見えてきます。次のSTEP3では、実際に会社にSDGsを導入する方法や事例をご紹介します。

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